精巣を守れ!

俗に睾丸と呼ばれますが、医学的には「精巣」といいます。「卵巣」と対応して「精子が育 まれるところ」という、文学的な呼称です。英語ではtestisと呼ばれますが、そもそもはラ テン語で「証人」を表すtesticulusに由来します。これは訴訟において一人の証人は信用でき ないために、法廷では二人以上の証人が必要であったことから、ペアのものを呼ぶ際にこの 言葉が使われたようです。スペィン語ではコホーネス(kohones)といい、それこそ肝っ玉 とか勇気といった意味にも使われます。

この睾丸はいうまでもなく、男性ホルモンであるテストステロンを作るところ。冒険や競争、勇気、縄張りといった男性らしさを一手に引き受けています。

そのためでしようか、『老人と海』のアーネスト.ヘミングウェィやパブロ •ピカソは、毎 日、牛の睾丸をにんにくと油で炒めて食していたとか。もっとも熱で変性したたんぱく質に はホルモン阼用は全くないのですが、人間気合が大事なんですね。どちらかといえば牛よりも馬の睾丸のほうが価値が高い気がしますが、雄牛は肉を柔らかくするために去勢されます が、去勢馬というのはそもそも意味がないので睾丸が市場には出てこないのかもしれません。

睾丸は、思春期から大きくなり、二十代で最大になります。触ってみるとぷりぷりと心地 よい弾力がありますが、青春時代を過ぎていくと加齢とともにだんだんやわらかく、そして 小さくなっていきます。殼つきの牡蠣のフレッシュさと加熱食用の牡螺の違いといえばわか りやすいでしようか?

金冷法は古くから知られている健康法です。睾丸は温かいよりも寒いほうがよく、陰囊か ら熱を効率よく放熱するため、からだの外にぶらぶらとあるといわれています。一年を通し て、暑い夏には精子は少なくなりますし、また熱帯の国々では、睾丸の弱るのが早いのか、 テストステロンを上昇させる作用のあるさまざまな植物素材が熱心に服用されています。「卜 ンカット.アリ」や「ソフォン」などは日本ではまだ一般化していませんが、シンガポール やクアラルンプールでは日本のゥコンとかゴマくらい非常にポピユラーな健康食品となつて レます

さて、この睾丸、からだの外にあることもあり、青年が気をつけなければいえないのは「怪我」から睾丸を護ること。男性はだれでも一回は睾丸をぶつけたときの、あの耐え難い痛 みを覚えているでしよう。睾丸を支配している神経により睾丸を包んでいる白い膜が引っ張 られると下腹まで痛みが及ぶのです。

西欧では睾丸を蹴って失神させるという恐ろしい拷問法もあるそうです。まして犬に喃み つかれたら……考えるだに恐ろしいですが、江戸城明け渡しで西郷隆盛と対峙した勝海舟が 幼い頃、陰嚢を犬に嚙まれて人事不省に陥った体験談が『水川清話』に書かれています。傍 らにつききりで看病し、水垢離をして無事を願ったのがお父さんの勝小吉さんでしたが、お 父さんもその昔、睾丸を山道で転んでぶつけ、あやうく命を落とすところだったとか。

よくよく睾丸に運がない親子ともいえます。父に比べて海舟はおそらく睾丸は無事で、喃 まれたのは陰囊だけではなかったかと思います。というのも睾丸を怪我すると不妊になるこ とが多いですが、海舟は子沢山でしたし、そもそも抗生物質のない当時、喃まれて睾丸に怪 我をするとおそらくあの時代の医学では治らなかっただろうと思われます。

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